脳卒中ケアユニット(Stroke Care Unit:SCU)
脳卒中発症後の超急性期から、専門チームが24時間体制で迅速かつ手厚い治療を提供します。
SCU(脳卒中ケアユニット)とは?

SCU(Stroke Care Unit)とは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳卒中を発症された患者様を専門に受け入れる集中治療室です。
脳卒中は、発症直後(超急性期)の治療と管理がその後の回復を大きく左右します。当院のSCUでは、一般的な病棟よりも手厚い人員配置(患者様3人に対して看護師1名以上)を整え、24時間体制で厳重な全身管理と専門的な治療を行っています。
SCUでの治療期間は概ね14日以内で、症状が安定した後は、一般病棟へとスムーズに引継ぎを行います。
当院のSCUの特徴
①24時間・365日救急受入体制
t-PA静注療法等の内科的治療、血栓回収術等の血管内治療、血腫除去術等の外科的治療などが可能な体制を整えており、救急搬送後すぐに専門的治療へ移行できるシステムを構築しています。
②多職種専門チームによる
迅速なアプローチ
脳神経外科医(脳卒中専門医3名、脳血管内治療専門医2名含む)、熟練した看護師、リハビリスタッフ、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士(MSW)などで構成された脳卒中チームで治療に臨んでおります。
毎朝のカンファレンスにて治療方針の確認と決定、情報共有を随時行い、患者様一人ひとりに最適な治療計画を実践します。
③発症早期からのリハビリテーション
寝たきりによる筋力低下や合併症を防ぐため、主治医の指示のもと、発症後24〜48時間以内の極めて早い段階からベッドサイドでのリハビリテーションを開始します。
また、嚥下障害のある症例では、STによる評価を行い、誤嚥のリスクを最小限にしつつ、早期に経口摂取を開始できるように取り組んでいます。これにより、身体機能の早期回復と早期の日常生活動作(ADL)向上を目指します。
SCU責任者からのメッセージ
「脳卒中はある日突然起こり、患者様ご本人はもちろん、ご家族にとっても大きな不安を伴う病気です。私たちは、最先端の医療技術と温かい看護をもって、一刻も早い回復をサポートします。『ここに来て良かった』と思っていただけるよう、スタッフ一同、全力を尽くしてまいります。」
設備紹介
脳血管撮影装置「PHILIPS Azurion」

当院では、脳動脈瘤や脳梗塞などの脳血管疾患に対する高度な診断・治療を目的として、Philips社製の先進的な血管撮影システム「Azurion(アズリオン)」を導入しています。 本装置は、微細な脳血管を鮮明に描出する高精細画像技術に加え、被ばくを抑えながら高画質を実現する先進技術(ClarityIQ)を搭載しており、患者さまの身体的負担の軽減と安全性向上を両立しています。
さらに、撮影したデータからリアルタイムに3D画像を生成し、脳血管の構造を立体的に把握することが可能です。これにより、医師は病変の位置や血管の走行を正確に確認しながら治療を行うことができ、より安全で確実なカテーテル治療につながります。


また、3D画像と透視画像を重ね合わせて表示する「3Dロードマップ機能」により、血管の形状をナビゲーションとして活用しながら治療を進めることができます。これにより、カテーテル操作の精度向上と手技時間の短縮が期待され、患者さまの負担軽減に寄与します。


さらに、ライブ透視画像と過去画像を同時に表示できる機能や、術中に3D画像を直感的に操作できるシステムにより、医療チーム全体が情報を共有しやすく、迅速でスムーズな治療が実現します。
これらの先進機能により、患者さまには以下のようなメリットをご提供しています。
- 身体への負担が少ない低侵襲な脳血管治療
- 被ばくや造影剤使用量の低減への配慮
- 正確な診断・治療による安全性の向上
- 治療時間の短縮による身体的・精神的負担の軽減
- 治療効果をしっかり確認できる安心感
当院では、最新の医療技術を活用し、迅速かつ安全で質の高い脳血管診療を提供しています。今後も患者さま一人ひとりに寄り添い、安心して治療を受けていただける環境づくりに努めてまいります。
血管撮影装置「Canon Alphenix」


血管撮影装置では脳動脈瘤の有無や血管の狭窄や閉塞といった血管の状態を調べる為の検査をおこないます。
動脈に細い管(カテーテル)を挿入して造影剤で血管を撮影する、”カテーテル検査”を行う装置です。
頭を切らない手術”血管内治療”もこの装置でおこないます。
当院の血管撮影装置にはCanon社製のAlphenixを導入し、高精細検出器によって、従来よりも更に高精細な画像表示が可能となっています。
また、2方向から撮影できるバイプレーン装置となっていますので、患者さんの被ばく線量の低減や少ない量の造影剤で検査と治療ができるようになっています。
血管撮影検査、血管内治療について
コイル塞栓術前
コイル塞栓術後

頸動脈ステント留置術前
頸動脈ステント留置術後

血管撮影検査とは?
血管撮影検査は皮膚から血管内に細い管(カテーテル)を挿入し、X線で透視をしながらカテーテルの先端を血管に誘導し、造影剤を注入しながら撮影する検査です。
当院では主に脳動脈瘤の有無、血管の狭窄や閉塞といった血管の状態を調べる為におこなっています。
血管内治療とは?
血管内治療では主に頚動脈狭窄に対するステント留置術(CAS)、未破裂脳動脈瘤のコイル塞栓術などの他、脳梗塞の緊急血栓回収術などの脳血管内治療を行なっています。
血管撮影検査、血管内治療の流れについて
検査、治療を行うに当たり、カテーテルを挿入する場所に予め痛み止めの注射をします。
検査中は造影剤を注入すると、体が熱く感じることがありますが、時間と共に消失しますので心配はいりません。
検査時間は30分〜1時間前後、血管内治療では30分〜2時間程かかります。
なお、内容によってはそれ以上かかることもあります。
御不明な点や心配なことがありましたら、医師、看護師、放射線技師にお伝えください。
MRI「Philips Ingenia 3T」

MRI(MagneticResonanceImaging:核磁気共鳴画像)は、磁石(磁場)と電波(ラジオ波)を使い、CTでは判別しにくい急性期の脳梗塞の描出に適した検査で、造影剤を使わずに脳血管を描出することができ、スクリーニング検査として非常に有用です。
また、脳神経の走行や脳血流、腫瘍の代謝物などの情報を得ることもできます。
放射線被ばくはありませんが、
非常に強い磁石を使用しているために、
金属や電子機器の持ち込みに対しては注意が必要です。
MRI検査について



MRI検査時の流れについて
- 検査時は、身に着けている金属類は全て外して頂き、専用の検査着に着替えて頂きます。
- MRI装置の検査台に仰向けに寝たら、
体の力を抜いて
リラックスして下さい。 - 検査中はMRI装置から連続的に
工事現場にいるような
トントントンという
大きな音がする為、
耳の保護の為に
ヘッドホンを着けて頂きます。 - また体を動かしてしまうと画像が
ぶれてしまいますので、
体は動かさないようにしてください。 - 検査時間は目的や部位によって
異なりますが、
通常約10分~45分ほどで終了します。 - 万が一
検査の途中で気分が悪くなったり
違和感を感じるようなことが
ある場合には、
検査時にお渡しするブザーで
お知らせください。 - 検査前のお食事に関しては
特に指示がある場合を除き、
摂って頂いて構いません。
MRI検査を受ける際の注意点
- 心臓ペースメーカー、
人工内耳、脳動脈瘤クリップ、
人工関節など、
非磁性体でない金属や
その他の金属片が
体内に入っている方、
また直近で血管内に
MRI非適応のステント、コイル等を
留置した方は検査が出来ません。 - また、刺青をされている方、
妊娠されている方
(または妊娠が疑わしい方)は
検査を受けることが出来ない
場合があります。 - 化粧品
(マスカラ・アイライン・
アイシャドウ等)には磁性体が
含まれているものがあり、
検査画像に影響があるだけでなく、
火傷や目の粘膜等を
傷つけたりすることがあります。
検査でご来院の際には
極力化粧はせずにご来院ください。 - 瞳の色を変える
目的のカラーコンタクトレンズは
材質的に金属が使われている場合が
ありますので外してご来院頂くか、
検査前に外して頂きます。 - その他検査についてご不明、
ご心配な点がありましたら
遠慮なく主治医、
技師にお申し出下さい。
MRI装置「Ingenia Elition 3.0T」の
ご紹介
当院では、脳神経外科専門病院として脳卒中をはじめとする急性期疾患に迅速に対応するため、フィリップス社製の最新MRI装置「Ingenia Elition(エリシオン) 3.0T」を導入しています。 本装置は、先進的なデジタル技術とAIを活用した画像再構成により、従来よりも短時間で高精細な画像取得を可能とし、時間との勝負となる救急診療において、迅速かつ的確な診断を支えています。
特に脳神経外科領域においては、新設計の高性能グラジエントシステムとデジタルコイル技術により、脳の微細構造や血流変化を高精度に描出することが可能です。これにより、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血といった急性期疾患の早期診断はもちろん、腫瘍や血管病変の評価においても高い診断精度を発揮します。また、広い撮影範囲においても均一で安定した画像が得られるため、多発外傷や全身管理が必要な救急症例にも対応可能です。
さらに、AIを活用した高速化技術により検査時間を大幅に短縮できるため、救急搬送された患者さまに対しても迅速な検査が可能です。検査ワークフローの自動化により、常に安定したクオリティでの検査を実現するとともに、医療スタッフが患者さまの状態把握や治療判断により集中できる環境を整えています。
患者さまの負担軽減にも配慮しており、開口径の広い設計により圧迫感を軽減するとともに、検査音の低減や専用マットレスの採用によるリラックス環境を提供しています。急性期で状態が不安定な患者さまや、高齢の患者さまにも、できる限り安心して検査を受けていただけるよう工夫されています。
また、インプラント(体内機器)を装着されている患者さまにも安全に対応できる機能を備えており、条件に応じて装置が自動的に最適な設定を行うことで、救急時においても安全性を確保したMRI検査を可能としています。
当院では、本装置を活用し、脳神経外科専門病院としての強みを活かしながら、救急から高度医療まで切れ目のない画像診断体制を構築しています。迅速で精度の高い診断を通じて、患者さまの予後改善と安心につながる医療の提供に努めてまいります。
CT
(Computed Tomography:
コンピュータ断層診断装置)
「Canon Aquilion Prime SP」

当院は高度医療に注力する為、80列の検出器を搭載したCTを導入しました。
高品質画像の取得と放射線被ばく線量低減の両立を実現します。
X線を使って身体の断面を撮影する検査で、脳血管障害(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血など)の場所や範囲がわかります。
造影検査では撮影した画像から脳血管を3次元化するだけでなく4次元化することも可能です。
CT検査について
頭部単純CT検査では、頭部外傷、脳出血、くも膜下出血などを迅速に診断できます。
通常は10秒前後で撮影が終了します。
検査前後にお食事を摂っていただいても構いません。




3DCTA(3次元CT血管撮影)とは?

3DCTA(3次元CT血管撮影)は、造影剤を腕の静脈から注入し、目的部位に造影剤が流れてきたタイミングで頭蓋内や体幹部の血管を撮影します。
専用のワークステーションで立体的な画像を描出し、色々な角度から観察することで、病変の診断に有用な画像を作成します。
また、造影剤を注入しながら、頭部を間欠的に撮影することで、灌流画像を取得することにより、脳梗塞の範囲を明確にすることができます。
通常は15分程度で終了します。
特に説明がなければ、食事は摂っていただいて構いませんが、検査終了後は、造影剤を速やかに体外に排出するために、水分を多めに摂るようにしてください。


